こんにちは、こみみに編集部のカルロスです。
3月3日に日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート』の第8話が放送されました。
第8話の内容、演奏されたクラシック曲をお伝えします。
・第8話の内容
・相関図
・第8話で流れたクラシック曲
※本記事はネタバレを含みます。ご了承の上、お読みください。
第8話の内容
響が天音の家に行くが
二郎のバースデーライブの後、響は天音と話すため、大輝と共に天音の家を訪れますが、そこは晴見市長の白石の家でした。
そこに白石市長が現れ、響らに「夏目さんには、うちの娘が大変お世話になっていますが、これ以上は無用です」とこれ以上天音に関わらないようにと言います。
響はあおぞらホールに天音を呼び出し、二郎に返すように頼まれたバイオリンを再び天音に返し、「辞めるなら、せめて自分の意思で辞めて」と伝えます。
俊平が高松に帰省
俊平は響と二人で30年振りに高松の実家に帰省します。
実家に入るのをためらっていると、家の門には父親の行彦が。行彦は俊平を無視して家に入っていきます。
母親に他の晴見フィルのメンバーがいることを伝えると、「おもてなしせないけんやろ!」と夏目家で食事会が開かれます。
すると、そこに家出した天音を連れて海がやってきます。
食事会の後、俊平は、蓮や瑠季らから指揮者になったきっかけを聞かれ、「きっかけは、塀の向こうから聞こえたバイオリン」と高校時代の思い出を話し始めます。
俊平の高校時代の思い出
高校球児だった俊平、隣の家から聞こえてきたバイオリンの音、それがシュナイダー先生(ノイエシュタット交響楽団の指揮者)との出会いでした。
シュナイダー先生の家で聞いたレコードから流れるオーケストラの音を聞いた俊平は、すっかり音楽の虜になってしまいます。
ある日シュナイダー先生は俊平に、ノイエシュタット交響楽団のコンサートを聞いて欲しいとチケットを渡します。
その日は甲子園の予選と重なっていましたが、どうしてもコンサートに行きたかった俊平は、家を飛び出し東京に向かいます。
東京についた俊平でしたが、チケットを忘れてきてしまいます。
すると、見知らぬ男性がチケットを買ってくれて、俊平はコンサートを聴くことができました。
初めて浴びた生のオーケストラの音に、俊平は指揮者になると決めたのです。
しかし、甲子園の予選をすっぽかしたことに、監督であり父親である行彦は激怒し、俊平を勘当します。
シュナイダー先生は、俊平に「大丈夫、心の中の”アパッシオナート(情熱)”さえ忘れなければ。ボッカ・ルーポ(オオカミの口に飛び込んでおいで)」と背中を押します。
次の日、俊平は家を出ていき、それ以来父とは話していません。
《「うたカフェ二郎」での一幕》
「うたカフェ二郎」では二郎とコンマスがお酒を飲んでいました。
二郎は、昔チケットなくした学生がいて、気の毒だったからチケットをおごってやった、あいつ今頃どうしてんのかな?と思い出話しをします。
俊平にチケットをくれた見知らぬ男性は二郎だったのです。
俊平のメッセージ
次の日、俊平が目を覚ますと行彦は既に外出していました。
この日は、行彦の監督最後の日だったのです。
俊平は行彦の監督姿を目に焼き付けて、母校での講演に向かいます。
講演で俊平は生徒に「あなたの夢を否定するその言葉に耳を貸さないでください」と伝えます。
これは、講演を聞いていた天音にも向けた言葉でした。
母校での指揮~父との和解
講演の後、俊平は母校のオーケストラ部で指揮をします。
演奏したのはドボルザークの交響曲第9番『新世界より』の第2楽章。
第2楽章の「家路」のメロディーに乗せて、俊平は行彦との思い出を振り返ります。
指揮を終えると俊平は行彦の元に向かい、自分が選んだ道で精一杯頑張るから見ていてと伝えると、行彦は「誰が見るか!もう帰ってくるな」と怒鳴りますが、これは感情の裏返しで、「しっかりやれー!」と涙ながらに俊平を激励します。
30年を経て、父と息子が和解するのでした。
天音のバイオリン演奏
俊平らが晴見市に帰ってくると、白石市長が天音を迎えにきます。
俊平は天音を連れて帰ろうとする白石市長を止め、天音の心をちゃんと見てあげてください、と懇願します。
白石市長が俊平に言い返そうとすると、天音がバイオリンを弾き始めます。
気が済んだか、と白石市長が天音に言うと、天音はさらに重音(音符二つを同時に弾く演奏)できらきら星を奏でます。
重音は響が天音に「無理だね、難しすぎる」と言った、難しい演奏技法です。
そして、「お父さんが反対しようと私は絶対に音楽を諦めない!私は絶対に指揮者になる!」と、自分の決意を白石市長に伝えるのでした。
相関図
第8話で流れたクラシック曲(テーマ曲:新世界より)
交響曲第9番「新世界より」 第2楽章(ドボルザーク)
第8話のテーマ曲となったのが、ドボルザークの交響曲第9番『新世界より』の第2楽章です。
《響のナレーション》
遠い新天地・アメリカから故郷のボヘミアを想って描かれたシンフォニー。
故郷に置いてきた若き日の自分。懐かしくて苦い記憶。
それは、心のふるさとへ帰る旅路。
第2楽章の旋律は「家路」や「遠き山に日は落ちて」で馴染みがあるかと思います。
俊平が30年間帰っていない実家、そして高校時代の思い出を、懐かしくて少し悲し気なメロディーにのせて描かれました。
「家路」の旋律が流れたのは次の場面でした。
①閉館したあおぞらホールで、響が館内放送の「閉館」のボタンを押したとき、閉館のアナウンスとともに流れ、そのまま響のナレーションで「新世界より」について説明されました。
②俊平が実家の高松に帰省したときに、実家の地区放送で流れました。
③高校時代の俊平がシュナイダー先生に、バイオリンで弾いていた曲名を質問したとき、地区放送で流れました。
④シュナイダー先生が高校時代の俊平に、ピアノで弾いて聞かせていました。
高校時代の俊平が聞いた、シュナイダー先生が弾いてたバイオリンも「新世界より」の第2楽章で、「家路」の旋律ではなく、楽章の中盤の部分でした。
俊平が、母校である城西高校のオーケストラ部で指揮をしたのも第2楽章でしたが、この場面では第2楽章の冒頭から演奏されました。
交響曲第9番「新世界より」 第1楽章(ドボルザーク)
俊平が少年時代のことを話ししたときの場面で、シュナイダー先生が高校生の俊平に聞かせた、ノイエシュタット交響楽団のレコードから流れてきました。
流れたのは冒頭ではなく、少し進んだところです。
この曲は、俊平が初めて聞いたクラシック音楽で、音楽という新しい世界を知った俊平に、「新世界」とい曲名をリンクさせているのかもしれませんね。
交響曲第9番「新世界より」 第4楽章(ドボルザーク)
高校時代の俊平が聴きに行った、ノイエシュタット交響楽団の演奏会で演奏した曲です。
「新世界より」というと、この旋律が、第2楽章の「家路」のメロディーと並んで有名です。
きらきら星変奏曲(海のアレンジVer.)
高松から晴見市に帰ってきた俊平ら、天音を迎えにきた父親・白石市長の前で、天音が自分の決意を演奏で表すかのように弾きました。
コンマス役の津田寛治さんが、「當真さんは当て振りじゃなく、ご自身が出している生音で勝負されるんです。」とインタビューで答えていたので、たぶん、この演奏は當間あみさんご本人の演奏だと思います。
普通にきらきら星を単音で演奏するのかと思っていたところで重音での演奏、當間さんの演奏に鳥肌が立ちました。
今回演奏したのは海のアレンジということで、同一の音源が無かったので、きらきら星変奏曲をバイオリンで演奏している動画を紹介します。
アマポーラ(ホセ・ラカジェ)
第7話で感動を呼んだ二郎さんのバースデーライブでのアマポーラ、第8話の冒頭で、このシーンが少しですが流れました。
朝:「ペール・ギュント」第1組曲から(グリーグ)
閉館したあおぞらホールで、響が館内放送の「開館」ボタンを押したとき、開館のアナウンスのBGMで流れていました。
海が編集した動画での晴見フィルの演奏曲
第7話で海が編集した、仙台オーケストラフェスティバルへの出演できるワイルドカードの応募用に、晴見フィルの演奏動画が、第8話でも使われました。
高松に着いた俊平が、「動画が炎上している(本当はバズっているの意味)」と言って響に動画を見せた時に演奏していた曲で、第8話では2曲が流れました。
歌劇「セビリアの理髪師」序曲
第4話のテーマ曲でした。
ジプシーの踊り:第2組曲から(ビゼー)
第6話のテーマ曲でした。
歌劇「ウイリアム・テル」序曲(ロッシーニ)
俊平が少年時代のことを話ししたとき、シュナイダー先生の家で、俊平はステレオから流れる曲の後半『スイス軍の行進』を聞いていました。
第9話 予告動画
第9話では、ついに俊平と響の間にあった5年前の出来事に向き合うことになるようです。
父と娘の絆が戻るきっかけになるのでしょうか。
ドラマも終盤になりましたが、俊平と響・天音と白石市長が和解できるのか、活動期間が残り僅かとなった晴見フィルがどうなるのか、そして俊平はノイエシュタット交響楽団の指揮者になるのか、まだまだ気になるところが山積みです。
最後までお読みいただきありがとうございました。